毒親育ち

毒親というのはスーザン・フォワード氏による「毒になる親」が発祥と言われていますが、親によって抑圧され、安心安全の環境で育つことが出来ずに、大人になった今も様々な影響を受けて苦しんでいる方は多いと感じています。

世間一般論からすれば、親のことを悪く言うなんてとんでもない!とか、生んで育ててくれたんだから感謝しなさい!と一方的に押し付けられた価値観は、息苦しく、窒息するような殺し文句ではないでしょうか。

毒親育ちあるあるとしては、なんでも自分が悪かった、と自己否定をしてしまうこと。自分が悪くもないのに、ついつい「すみません」が口癖となり、自分なんてどうせダメなんだ、と諦めてしまう。

親と似た人間関係を構築しやすく、支配的な親ならば、支配的な恋人、友人、上司、など、もううんざりのはずなのに、なぜか、親と同じパターンの感情を引き起こすキャスティングを自ら選んでしまう傾向もあります。

いったいなぜ、もううんざりのはずなのに、そんな苦しい人間関係を選んでしまうのか?

苦しい人間関係を選んでしまう理由とは

それは、その人間関係に適応していくことが得意だからです。しかも本人は毒親に似た人を無意識に選んでしまうことがよくあります。そして、ある日突然、疲れ果てて人間関係が破綻してしまう。

本来ならば、破綻する前に、誰かに相談したり、対策を考えたり、逃げることだって間違いではないのですが、なかなか軌道修正が出来ないのは、限界まで我慢してしまうクセがついているからです。

結果的にメンタルを崩してしまい、ドクターのお世話になるケースも多いかと思います。

リコラの場合

今から30年ほど前、私も親の圧力が限界値を超え、お医者様に助けて頂いたことがありました。

安定剤など、精神に作用するお薬を処方され、なんとか日常生活を保っている私に

「いつまでそんな薬を飲んでいるんだ!嫁に行けなくなる!」

と怒鳴ったのは、原因を作った本人、つまりは毒のある父でした。

かばう訳でもなく母もまた、同じような調子で、なぜ自分だけがこんなに苦しいいのか・・・当時はその原因も理由もわからないままでした。

数年後には回復して以降はお薬のお世話にはなっておりませんが、当時はまだ毒親という言葉も知らず、当時の私は、まさか親子関係が原因だとは夢にも思いません!

今、振り返れば、親の過保護、過干渉が私が人として成長するために必要な経験、出会いを奪ったのだと考えます。

毒親育ちは自信が無い

親によって生きる力を奪われる悲劇は、大人になっても影響が残ります。

自分で選択すること、自分で決定することが出来ない毒親育ちは、いつも自分の答えに自信がありません。

だから誰かを頼りたい、何かに縋りたい、どこかに答えがあるはずだ、と自分の心ではなく、自分の外側に答えを探し求めます。

先日、本屋さんの精神世界のコーナーで面白い発見をしました。

引き寄せの法則、宇宙のナントカ、お金に愛される方法、こうすれば愛される、などなど、実態のない、ファンタジーのような、でもちょっと気になるな!と思われるようなタイトルの本が、たくさん並んでいました。

いわゆるスピ系というカテゴリーも山ほど並んでおります。その隣の棚に、毒親や親子関係に関する書籍が並んでいるのです。これは面白い現象だな、と感じました。

スピリチュアルに頼る理由

これほどまでにスピリチュアルと呼ばれるカテゴリーが人気があるのは、まさしく何かに頼りたい人がいかに多いか、ということではないでしょうか。自分一人の考えでは自信がなく、不安や孤独を抱え、人生の答合わせをしたくて、辿り着いた先がファンタジーのようなスピリチュアル系の世界ではないでしょうか。

最後に

やがて、毒親育ちあるあるとして、立ちはだかるのは「介護の壁」。逃げたくても逃げられない、逃げたら「冷たいこどもだ」と世間から非難される、見えない敵におびえ、聞こえないはずの批判が頭をめぐる、しんどさを感じてもすぐに罪悪感が追い付いてくる・・・この状態は本当に苦しいです。

どうか、社会のシステムは使えるだけ使って自分を守って下さい。福祉現場の方たちは、さまざまな家族のカタチを見ていらっしゃいます。苦しいことをそのままお伝えして下さい。そこで無理をして頑張らなくていいのです。自分の親を他人に委ねることをどうか躊躇わないでください。

いつか罰が当たるのではないかとか、世間の声は関係ありません。

自分で感じたことを自分でどうしたいのか決めることで、後悔は残りません。

大切なのは「今」のご自分の気持ちです。過去にも未来にも他人も正解は持っていません。

「今」のご自身がどうしたいのか、何が出来て、何が出来ないのか、素直に伝えて下さい。

大変な親だったけど、いつか変わってくれる、という淡い期待は、ほとんど叶いません。

変わるのは自分です。自分しか変えられないのです。

毒親が死んだら後悔するのか?と怯えることもありません。

後悔はしません。大丈夫です。

それでも不安な時は安心安全の場所で、思いを放して(話して)下さい。安心安全の場所というのは、あなたのことを、否定したり非難しない人のことです。

心の荷下ろしをして、頑張ってきた自分をどうか、褒めてさしあげてください。

ZOOMを使ったご相談はこちらからご連絡ください。

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