ペットロスの深い悲しみに、なぜ「絵本」が寄り添えるのか?
~大人が心の自由を取り戻し、あの子と再会する物語の力~
ペットロスで悲しみの中にいるあなたへ
愛するあの子を見送り、今、言葉にできないほどの悲しみの中にいるあなたへ。
朝目覚めた時の静けさ、ふとした瞬間に探してしまうあの子の気配。
胸にぽっかりと空いた穴をどう埋めればいいのか分からず、立ち止まってはいませんか?
「いつまでも泣いていてはいけない」「早く元気を出さなきゃ」
そんなふうに、ご自分を急かしてしまうこともあるかもしれません。
私自身、最愛の猫たちを見送った後、長い間その暗闇の中にいました。
そんな私を救ってくれたのは、意外にも子ども時代以来、
手に取ることがなかった「絵本」だったのです。

絵本が持つイメージの力
なぜ、大人の、しかも癒えない悲しみを抱えた時こそ、絵本が必要なのでしょうか。
その理由と、絵本が持つ「イメージの力」について、お伝えしてまいりましょう。
1. 大人の「役割」という重い鎖を解き放つ
私たちの日常は、知らず知らずのうちに多くの「鎖」で縛られています。
「誰かに見られている」「社会人として強くあらねばならない」「母として、父としてしっかりしなければならない」……。こうした役割という鎖は、私たちが本来持っているはずの「純粋な感情」を閉じ込めてしまいます。
特にペットロスの悲しみは、周囲から「たかがペットで」という無理解な言葉を投げかけられることもあり、大人は余計に自分の涙を押し殺してしまいます。
しかし、絵本の世界には「〜すべき」という義務感や評価は一切存在しません。
ページをめくるたびに、心は批評や比較のない、純粋な場所へと引き込まれていきます。
絵本を開いている時間は、すべての禁止事項から解放される、あなただけの「聖域」なのです。
この「自由」こそが、凍りついた心を溶かす第一歩となります。
大人の仮面を脱ぎ、幼い子どものような純粋な心で悲しみと向き合うことを、
絵本は許してくれるのです。
2. 脳と心が反応する「イメージの魔法」
なぜ、短い物語で完結する絵本で、これほどまでに心が動かされるのでしょうか。
それは、脳のメカニズムに理由があります。
たとえば、酸っぱい梅干しや、ぎゅっと絞ったレモンの映像を見るだけで、
口の中に唾液が広がることがあります。
脳は、現実の体験と、鮮明なイメージを明確に区別しません。
五感を通して心身に直接働きかける力が、イメージにはあるのです。
絵本は、視覚的な「絵」と、リズムのある「言葉」を通じて、私たちの脳内に豊かなイメージの世界を創り出します。
物語を通してあの子と再会し、温かい日常を思い出す。
そのとき、あなたの脳は「今、あの子と繋がっている」という感覚をリアルに受け取ります。このイメージの力が、悲しみを占める心に潤いを与え、あの子との絆を「温かい形」で結び直す助けとなるのです。
3. 絵本が心に寄り添う「3つの理由」
私が絵本という形にこだわって活動を続けているのには、具体的な3つの理由があります。
① 感情の代弁
悲しみがあまりに深いとき、人は自分の感情を言葉にできなくなります。絵本の優しい物語は、あなたが喉の奥に詰め込んできた「苦しい」「寂しい」「愛している」という言葉たちを、そっとあなたの代わりに表現してくれます。物語があなたの心を代弁してくれるとき、孤独な悲しみは「共有された癒やし」へと変わります。
② 思考の整理と制限からの解放
美しい絵の世界に心を委ねることで、左脳的な「理屈」や「反省」から離れることができます。「あのときもっとこうしていれば」という後悔のループを止め、右脳的なイメージの世界で感情を静かに整理することができます。
③ 魂の再会と「愛の循環」
物語は、亡くなったあの子との関係が「断絶」したのではなく、今も「愛の循環」として続いていることを教えてくれます。悲しみを消し去るのではなく、悲しみを「温かい記憶」という名の光に変え、あの子との新しい絆を育む場所を提供してくれるのです。

ペットロスの苦しみは「予防」できるという考え方
ここで少し、新しい視点をお話しさせてください。
私は、ペットロスの深い苦しみは、ある種の「予防」ができると考えています。
それは悲しみを避けるという意味ではなく、未来の自分を守るための心の備えです。
「予防」という言葉に、驚かれるかもしれません。
私はカウンセラーとして家族問題やこどもの虐待問題に長く取り組んできました。
その中で痛感したのは、起きてしまった後に手を尽くすこと以上に、「正しい知識を持ち、あらかじめ備えておくこと(予防)」がいかに重要であるか、ということです。
これは、ペットとの暮らしにおいても全く同じことが言えます。
多くの方が、「いつか来る別れ」を怖がって震え、その恐怖から目を逸らそうとします。
しかし、別れの瞬間を恐れるあまり、今の幸せに影を落としてしまうのはとてももったいないことです。
私が提案する「ペットロスの予防」とは、「日常の何気ないやりとりを、『心のアルバムに鮮明に保存していく』ようなイメージです。
別れの恐怖を未来に探すのではなく、
『今、目の前にいる大切なこの子との時間に、心を100%置いてあげる』こと。
この一瞬一瞬を大切に慈しむ姿勢が、結果としてあなた自身の心を救う最大の予防となります。
~いつか旅立ちの時が来たときに~
「あの子は今、私があげた愛を持って、あちらの世界で誇らしく輝いている」と思えること。その確信こそが、最大のグリーフケアになります。
いわばそれは、いつかの日にあの子に持たせてあげる、
世界に一つだけの「愛のお土産」なのです。
私の体験、愛猫タルトが教えてくれたこと
私自身、2歳を待たずに旅立ったタルトを見送ったとき、動かなくなったあの子にずっと絵本を読み聞かせていました。
その時はただ必死でしたが、のちにシルバーバーチの教えに出会い、確信しました。
タルトは繊細な子だったのではなく、私に愛を教え、愛を受け取るために勇気を持って私に会いに来てくれたのだと。
私の絵本『いのちのふるさと』と『タルトとホシのひかりのバトン』は、そんな実体験と祈りから生まれました。
絵本は、悲しみを消す魔法の杖ではありません。
あなたが「愛のある日」を思い出し、あの子との絆を永遠に、温かい形で結び直すための「扉」です。
別れは終わりではありません。愛は続いていきます。
愛のある日を思い出すための「光のバトン」として、
この2冊の絵本が、今ペットロスの悲しみの中にいる
あなたの心を、そっと照らす存在となりますように。
あなたと大切なあの子の絆を繋ぐ2冊~いのちと愛の贈り物シリーズ~
ペットロスでお辛い方へ
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