共依存

共依存はCo-dependencyと表記され

「CO」は「共に」を意味します。

もともとは

アルコール依存症の家族に用いられた言葉でもありますので、

アルコール依存症と

その家族の関わりがどのようなものなのか

シンプルにお伝えしてみたいと思います。

まず、アルコール依存症とは

医学的に認められる

「一定量以上の飲酒」

「遺伝的要素」

「脳の病気」と

3つの関連性である

「生い立ち」

「トラウマ」

「未完の仕事(喪失感)」

と言われております。

依存症者は

考え方、感情、行動、人間関係、習慣が変わり、

その家族も依存症者に巻き込まれるように、

本来の考え方、感情、行動、人間関係、習慣が

変わってしまいます。

この状態を「共依存症」と言います。

一般に通用している

「アダルトチルドレン」という言葉は

アルコール依存症の家族を語源にした言葉です。

アルコール依存の親元で育ったケースを

一次的共依存

その一次的共依存症と結婚した人を

二次共依存といいます。

二次共依存は離婚したら治るというものではありません。

アダルとチルドレンと二次共依存の両方の回復が必要です。

共依存の行動の特徴は

「あなたはこうあるべき」と言いくるめて

相手を支配したり、

あなた好みの私を演じて他者を支配します。

感謝・賞賛・評価を欲しがります。

相手が自分にのめり込むことで

自己肯定感が上がります。

このため、

中庸とか

ほどほどが困難で

どんどんのめり込みます。

のめり込むことによって

痛みや淋しさをマヒさせるのです。

空虚感や満たされない気持ちを

簡単な方法で紛らわそうとアディクション(依存)に走ります。

アディクションは

科学物質、恋愛、子どもへの過干渉、ギャンブルなど。

そして傷ついた心を癒すために、

簡単に誰かを崇拝し

自分が崇拝の対象になろうともします。

共依存の中で多い恋愛依存のパターンには

恋愛依存症者回避依存症者という二つの主役が登場します。

恋愛依存症者のサイクルを見ていきましょう。

まず、相手の見た目や収入、美辞麗句に惹かれます。

救済者幻想が呼び起こされ高揚感を体験します。

「私がなんとかしてあげたい」と思うことで

自分の持つココロの痛みが和らぐのです。

その苦痛からの開放感を味わいます。

やがて相手への要求が強くなり

見捨てられそうな現実を否認します。

否認が崩れ相手に見捨てられた意識が高まると

絶望や不安といった離脱症状が現れます。

相手を取り戻したい、復讐したいという思いが強くなり

妄想を抱き

やがて脅迫的に計画を実行します。

パートナーが返ってくると

このサイクルを冒頭から繰り返したり、

相手を変えて同じことを繰り返します。

回避依存症のサイクルは

恋愛依存症者の窮状や弱さに惹かれます。

誘惑して恋愛依存症者との関係を持ちます。

敬い慕われることで高揚感を得ます。

相手の窮状に追い詰められ支配する感覚を持ちます。

追い詰められる感覚を緩和するために

アディクションに陥り関係を見捨てます。

見捨てられる恐れや罪悪感のために

パートナーのもとに戻るか

新しい相手を見つけます。

まるでゲーム感覚のように繰り広げられる人間関係ですが、

これは現実に巷に溢れているモデルと言っても過言ではありません。

多くの恋愛相談や

離婚相談では

これらの問題を含んでいるケースが多く見られます。

恋愛依存や共依存は医学用語ではありません。

アルコール依存は医学で認められていますが

医療の枠の中で治しきれないため、

カウンセリングや自助グループを活用することが良いとされております。

脳が学習してしまったことは

薬では変えられないのです。

共依存からの回復へのステップは

いくつかの段階に分かれます。

・相手におぶさるのを止める

・相手の邪魔をしない。

・怒りや誘惑で相手を攻撃しない。

・成育歴を見直す。

・喪失体験を受け入れる。

・グリーフワークに取り込む。

・健康的な境界線の引き方を身につける。

・否定的なメッセージを肯定的に置き換えてみる。

・サポートを得る。

・健康的な人間関係の作り方を学ぶ。

依存症は完治しません。

そのかわりに回復することが出来ます。

一日一日を積み重ねることは、回復を継続していくことになります。

そのためには

回復はココロから願わなければ回復できない

回復したいと謙虚に求めること

正直になること

なんとかなる、では回復しない

これらを心に留めること

共依存は罠でもあります。

振り向けば過去の習慣に舞い戻ってしまします。

いかに罠の声を追い払うか

誘惑に乗らないか

これが回復に繋がっていくのです。

そして支援する立場は

情緒的な繋がりや、

本人が気づきに辿り着くように寄り添いながら、

支配や依存することなく、

サポートしていくことが大切なのだと感じております。

ある依存症専門の先生の講義を受けたときに

「私はダイビングのライセンスを持っています

でも泳いだことが無いのです」

というインストラクターと

「私はダイビングのライセンスを持っています。

海で泳いだことがあります」

というインストラクターと

どちらの方に安心して習いますか?

と聞かれました。

依存症の回復も同じであり

わたくし自身が

回復者でございます。

単なるセミナーでの知識を並べただけではなく

実際の回復の気づきや

その経過も知っているからこそ

寄り添う言葉が

響きを伴うものだと

信じております。

ご相談は下記フォームをご利用下さい。

現在ZOOMでの対応のみとさせていただいております。

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